その時また女子の声が聞こえたけど、今度は聞こえないフリをした。 「ナイシュー!」 「康二もナイスアシスト」 近くまで来た康二と拳を当ててすぐにディフェンスに戻る。 けっこう不真面目な康二も体育だけは本気でしている。 俺も運動は嫌いじゃないし、普通に頑張るタイプだ。 ディフェンスをしていると体育館を2つに分けている緑のネットが大きく揺れ、思わずそっちに気を取られた。 と、同時にブザーが鳴り次の人と交代になる。