そして来てしまった放課後


「(勉強場所はおそらく教室。ならば六堂くんが問題解いてる間にトイレと言って裏庭で用事を済まそう)」


そう決めた琴子


「よし、じゃあ行こうぜ」


「へ?」


いつのまにかかクラスのみんなは帰っていた


「へ?って俺の家」


琴子はフリーズした


教室と思っていたらまさかのお家で勉強


「え、いえ?」


「そ。俺の家寺だから広いし」


「そ、そうなんだ」


困った琴子


「あ、ちょっと用事があって…」


「なら待ってるよ。ちょうど話したいこともあるし」


「え…」


まるで告白する前の言葉のようだった


琴子の心臓はどくどくを鳴っている


と、その時


「遅いぞ。嫁」


「うわわ!」


いつのまにか教室にいた昼間の猫


「お前…っ!!」


六堂は金縛りにあったように動かない


「フッ…六堂の子孫か」


猫はあざ笑うかのような顔をする


「あまり派手に動いたら、体痛めるよ?六堂魁斗くん」


教室の入り口には和服の男


琴子が校庭で見た男だった


「え、ゆ、幽霊の…」


「幽霊?ひどいなぁ」


和服の男は笑う


「お前、妖のにおいがする!!」


「六堂の坊やはよく気づいたね。まぁ力は強いのかな」


そして琴子へと近づく男


「迎えに来たよ、僕の花嫁」


男は琴子のことを抱きしめ


姿を一瞬にしてくらませた