このような不運は初めてではなかった


琴子は昔から不運だった


まるで何かに取り憑かれているように悪いことが何かと起こっていた


「そろそろ行かなきゃ」


琴子は右腕の時計を見て青葉がしげる木の道を通る


琴子の家から学校まではそんなに時間がかからない


その道の途中に大きな木が連なる道がある


通称猫の通り道


なぜ’’猫’’の通り道なのか


それは


「今日も多いなぁ」


猫がたくさん住んでいるからだ