「りはな、何が欲しい?」 傾げて、見つめれば 「…ぼ、帽子が欲しいかな…」 目線を逸らして述べる、りな 「えー、自分で買ってよ」 「いいじゃん、欲しいのなあに?って聞いたのは、直斗だよ?」 「そうだっけ?」 ふふっと笑えば 「そうでしょ!!」 りなもつられて笑う。 りなが隣にいること、 それは、思ってもみなかったこと。 だって、ずっとりなは、 僕のような人より 綾斗のような人の方が たぶん、好きだと思っていた。