「ばかだね、りなは、今まで直斗くんの何をみてきたの?」


「女の子好きなとこ…」



「ばか。だーれよ、私が相手してあげてきたって、偉そうに言ってた人は」



「でも、それは昔かしの直斗で…」



「本当に、そうだと思う?

私は、直斗くんは、いい意味で、今も昔も余り変わらない、直斗くんだと思うよ」


確かに、直斗は直斗だもんね…


だけど…

ふと、あの笑顔をもう一度、思い出すと…



そいや…

切なくて、苦しくなるくらい、涙目の癖に、笑ってた。


声なんか震えそうで、今でも壊れちゃうんじゃないかって思うくらい


まっすぐで、ああ…


確かに、私の知っている




直斗じゃん…




私は、何をみてきたんだ…