そのままあたしの隣に座った桃は「何食べてるの?」と言って、あたしの食べていたカップを見つめた。
「さっきあのジェラートっていうヤツを買ってみたんだ。桃もどう?」
「えへへ、いいの?」
嬉しそうに受け取った桃を見て、少しだけ罪悪感が沸いてしまった。
本来ならば、食べ合いっこをする相手はあたしじゃなくて桃だ。
…酷いよね、あたしも。
「うん、美味しい! やっぱり絢華って期間限定のものが好きだよねえ」
「凜くんのも一口貰ったらどうかな?」
「え! えっと、いいのかな?」
あたしの提案に頬を真っ赤に染めた桃。
うん、やっぱり付き合っているってこんな感じだろう。
初々しくて可愛い。
あたしの隣に座っていた凜くんは「いいよ、後食べちゃって」と手渡した。
二人の間に座るあたしは、他の人から見たらどんな風に見えるのかなあ。
…じわりと痛む胸を抑えると、澄み渡るような青空を見上げた。