言葉を紡ごうとすれば、唇が震えた。


「…凜くんに、“絶対彼女になりたいなんて…言わない、よね?”って言われて…。凜くんを傷つけたらっ…。否定したら…ダメだって、思った…」


凜くんが望むのは「友達」関係だった。


「だから笑って見せたのに…! 凜くんが見えなくなった途端、胸が鷲掴まれたように苦しくなって、眩暈がしてっ…」


「でも…絢華は…」


ゆっくりと奈々美があたしの肩を掴むと、視線を合わせたまま、瞳を潤ませた。


「その転校生くんを困らせたくないって、そう思ったわけでしょ?」