ただ、俺はやろうとすれば出来る子だった。

だから1人にならないために、必死に勉強をして適当に部活を頑張り、そこそこ可愛い女の子と付き合い続けた。



付き合うと言っても、長く続いて一週間。

短くて3日程度だ。


まあ、所詮そんなものである。中学生は受験に追われるし、恋愛自体分かっていない子が多いのだから。



中学2年生の初夏、俺は久しぶりに再会した幼馴染に思い切り殴られた。


軽く吹っ飛んだ俺は、最近体重が落ちたんだっけなと、心底どうでもいいことを思い出した。



「…なに、そんな痩せて…女取っ替え引っ替えしてんの…。昔の、坂木はっ…そんなんじゃねーだろ…!」



俺よりも悲しげに顔を歪ませた幼馴染は、小学校を卒業して以来に会ったけれど、何も変わっていなかった。