うん…、やっぱり清水さんの作った煮物料理は美味しいなあ。

目の前であたしをじっと見つめる五十嵐くんは無視していいかな…。


「…んな食べてると太るぞ」

「むっ!?」


危うく喉にニンジンが引っかかりそうになって急いで水を飲んだ。

子供たちがいる前で、睨むなんて出来ないので唇を尖らせるだけに止めた。


「なー、このちっせえオムライス作ったの、お前だろ」

「…ん、そうだけど」


一口サイズの丸めたご飯の上に、卵を巻いたおにぎりはあたしが作ったものだ。

お姉ちゃんが好きだったからよく作ったんだっけな、と思い出すと、五十嵐くんが「貸し二つあったろ」と呟いた。


「これの作り方を教えろ」