家に着いて、母さんの置手紙と一緒にお金が置いてあるのを確認すると、コンビニ弁当を買いに行こうか悩んだ。
…面倒臭いな。
後回しでいいや、今は兎に角眠りたい。
二階に上がると、自室に入って鞄を適当に置いて、ベッドに沈み込んだ。
ズボンのポケットに入れたままだった携帯を取り出すと、ホーム画面は初期設定のままで、青空の写真が映し出される。
暫くそれを眺めた後、俺は携帯を床へ投げ捨てた。
瞼を閉じれば、五十嵐が絢華の頭を撫でる姿が浮かび上がった。
俺は二人を見守るだけで、手を伸ばすことすら出来ず、勝手にもがくだけだ。
―何で、こんなにイラついてしまうのか。
心がぐちゃぐちゃになって、周りが見えなくなってしまうのか―…、こんな感情は初めてだった。

