パニック状態のあたしを置き去りにして、のん気に欠伸をした五十嵐くん。
…あれ、ネックレスやピアスは付けてない。
「…何、そんな見つめるなんて、襲われてーの?」
「なっ! ち、違うに決まってるでしょ!」
「どーだか」
一度だけあたしの頭を撫でた五十嵐くんは、自分の席に戻っていった。
あ、やっぱり五十嵐くんは廊下側の席なんだ。
…ちょっと遠くて、一安心。
―ガタンッ!!
目の前の席にいきなり誰かが座った。
驚いて携帯を落としかけたが、何とか持ち直した。
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