ばくばくとうるさい鼓動を抑えようと、頭の中で違うことを考え始めたそのときだった。 ―ピロンッ! 軽快な音を立てた携帯に、あたしの肩がびくりと震え上がった。 …この流れで自然に起きよう。 そう決心して顔を上げた―、ら。 「……なー、お前お姉ちゃんなんていたわけ?」 「え、えっ…!?!?」 「どーでもいいけど、ほら。メール届いてる」 「あ、あ、りがとう…?」 な、何で目の前に五十嵐くんがいるの―!?