だからあたしは知らない。
あたしの“友達”という言葉に、少しだけ傷ついたような表情を浮かべた凜くんのことも、本当は凜くんが何を言おうとしていたのかも…。
「じゃあ、帰ろう。凜くん」
…桃にも、また謝らないと。
あたしはこれから凜くんと桃を応援するのだ。
いつまでも手を繋いではいけないと思い、そっと凜くんの手を離した。
家前まで送ってもらうと、凜くんに「今日は鍵持ってるの?」と訊ねた。
今日の夜はまた気温が下がると、今朝のニュースで知っていたので聞けば、凜くんは黙り込んだままだった。
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