…そんなの凜くんだって分からないのに。

変なことを聞いてしまったと後悔していたら、凜くんがあたしの手を強く握り締めた。



「これは俺の考えだけど…、絢華は“頑張れなかった”って後悔してるんだよね?」

「…うん」

「じゃあ、絢華の“頑張っているところ”を見せたらいいんじゃないかな?」

「頑張ってる…ところを?」

「それは難しいことだし、簡単には出来ないことだけど…、どうかな?」



―そうだ。

今まで“頑張れなかった”せいで、家族の仲が壊れてしまったのだ。


だったら、あたしが頑張っているところを見せたら…何か変われるかも知れない。


「…ありがとう、凜くん。答えが分かった気がするよ」