「…だって、諦めたら元も子もないでしょ?
それを言ったのが俺の幼馴染、五十嵐なんだ」

「ええ…! そ、そうだったの?」


…お、幼馴染だったんだ。

道理で友達って感じではなかったけど、それでもあんなに冷たい視線で見るものなのかなあ…?


「じゃあ“五十嵐には気をつけて”って言葉は、どういう意味だったの?」

「…五十嵐は、昔俺を苛めてたから。だから絢華を苛める可能性を考えて、近寄らないように注意しようかなって」


寂しそうに呟く凜くんを見て、あたしはふと疑問に思った。


「えっと…、凜くんは五十嵐くんのこと、友達?というか幼馴染だから誘ったんでしょ?
嫌い…では、ない感じだったけど」