人間怒るとロクなことがない。

オフィスビルに着くと始業時間ギリで、エレベーターを待ってたら間に合わないと思ったから階段をダッシュして駆け上がろうと決めた。


所属する部署があるのは七階。
そこまで休まずに駆け上がり、あと数段…というところで足首が限界を感じて力尽きた。


ズルッと滑って脛を打ち、あいた〜っ!と叫んだところでタイムアウト。
どうせ焦ってももう遅刻だと思うと、階段を上がる気力も失って座り込む。


打ち付けた脛は青くなって腫れ上がり、おまけに血も出てる。
湿布を貼った足首はズキズキするし、調子に乗って走らなければ良かった。



「もしかしたら、今日が一番ツイてないのかも」


ドクターの恋人には会うし、階段で滑ってケガはするし。


「あーあ、胸だけじゃなくて足も痛いよ…」


泣き言を言いながら立ち上がり、右足をヒョコヒョコ引きずってオフィスへ向かう。
おはようございます…と商品開発部のドアを開けて中に入れば、妙な歩き方をする私はまたしても皆の注目を浴びて__