「どーしてくれんの。わたし野宿しなきゃいけないじゃん」

私は冷たい目で言った。

「んなら、俺らのとこ来いよ
守ってやる。」

そのとき私は確信した。手紙で書いてあったのはこの人たちの事だ、と。
私の前に大きく骨ばっている背中がある。繁華街を抜け暗い道を歩いている。そう、私はついていくことにした。(記憶が無いこと、手紙のことはまだ秘密)

「名前は」

急に話しかけてきた。

「神枝 美琉」

聞こえているのかわからないくらい小さい声で呟いた。

「俺は伊崎葵陽だ
暴走族の総長だ」