「あれ?藤元くん?」 「あぁ…。お久し振りです。西田さん」 たまたま奥の事務所から書類を持って出て来た先輩女性の西田さんが、私の肩越しに声を掛けて来た。 「そっかぁ。音響の後任、藤元くんだったのね?こっちに転勤になったの?」 「はい。二ヶ月前に。西田さんもお元気そうですね?」 「うん、相変わらず、寿退社の話もなく頑張ってるわよ」 西田さんと彼が笑い合うのを見て、関連会社なのだから、知っていても不思議はないか…と思い、私も微笑みながら、二人の会話を聞いていた。