一年前に別れた人は、とても前向きで太陽のような人だった。
いつも何事にも一生懸命で、私の手を強く握り、どんどん階段を登って行くような人だった。

優しく包まれているだけでは、きっと私は傲慢になって、駄目になる…。
そう思っていた私には、その人の存在はとても新鮮で逞しく感じた。


けれども、私は次第に疲れ切って行った。
合わない歩幅を無理して合わせようとしても、やがてそれは綻びになるのだと気付いてしまったのだ。




二人の人と、“ 恋をした ” のだと思っていた。
新しい恋をすれば、忘れられない恋も断ち切れるものだと思っていた。

けれど彼への想いは、心の奥底にずっと住み続け、消えてしまう事はなかったのだ。