ビルの廊下を勢いよく走る足音がして、元気な声が飛び込んで来る。 「こんにちはーっ!」 「こらーっ!走らないって言ってるのに! あ、こんにちは。いつもお騒がせしてごめんなさい」 幼い二人の男の子を追い掛けるように、その母親達が息を切らしながら入って来た。 「大丈夫ですよ。いつも元気に来てくれて嬉しいです。 あ、でも廊下は滑って転ぶと危ないから走っちゃダメね」 「はーい…」 母親達に答えた後、子ども達にも言葉をかける。