24日でも25日でも、もし彼の予定がどちらか一日空くのなら、朝早い新幹線に乗り、最終で帰って来ることだってできる。

「ごめん、両方ともバイトなんだ。普段練習で思うように入れないからさ…。
正月、そっちに帰る為にも頑張らないと。クリスマスは休みたい奴多いから、しっかり入れるんだよね。
夜には電話するから…ごめんね」


だから私も仕方なくバイトを入れた。
店長やバイト仲間に、これ以上ないというくらい感謝されながら…。



バイトの職場であるカフェは、待ち合わせのカップルや、友達同士集まってこれからパーティーでもするのか楽しそうなグループなどで、ごった返していた。

店内に流れ続けるクリスマスソング、
店の窓から見える舗道には、きらびやかなイルミネーション。



遠距離でもなければ、例え二人ともバイトがあっても、少しくらいは一緒に居られる時間を作れたかも知れないのにな…

離れた空の下でまた、クリスマス気分も関係なく働いているであろう彼に、想いを馳せる。


私は淋しさを振り払うように笑顔を作り、お客の一人一人が楽しいクリスマスを過ごせるよう心を込めて接客するよう努めた。