しかし、前のように行かないのは、いつも側にいられないこと…
本当の意味での“ 距離 ”…。


彼が東京へ戻るまでの5日間、
私達は1分1秒を惜しむように、側に居続けた。



遊園地で乗り物に乗って子どものようにはしゃいでるうちに、今までお互いに出せなかった素の部分をだんだん出せるようになって行った。

街中のカフェでお茶を飲んだり、ショッピングをしながら周りのカップルを見ていると、
「あぁ、私達もこんなふうに普通にカップルに見えるのかなぁ」
なんて、何でもないような事が妙に嬉しく感じた。

夏だから海に行こうという話が出たものの、水着姿を見せる勇気はなく、ビーチから少し離れた場所でただ二人で海を眺めていたり…

電車を乗り継いで古い町並みのある観光地に出掛けたりもした。



まるで今までの分を取り戻すかのように、二人の時間を惜しみなく楽しんだ。