「あれは光井が勝手に…。俺そんなこと、一言も言ってないんだけど」

彼が苦笑いをしてそう言った。



そっか…
また光井先輩の優しいお節介だったんだ… 


でも、二人きりになれたお陰で、今度こそきちんと言える。

「さようなら」…と。




「あの…」
「あの…」

二人の言葉が重なった。


でも、彼は私の次の言葉を待たず、口を開いた。


「もう暫く、こっちに居るんだ。
また…会えないかな」