雨の続く土曜日、待ち合わせのカフェの二階の席で、私は窓から外を眺めていた。 大きな横断歩道を行き交う人達の傘の花。 上から見ると、色とりどりの鮮やかな花の上を、透明な水滴が転がり滑り落ちて行く様が美しく見える。 鬱陶しい季節でも、こんな景色が見られる事を思えば、癒やしにもなる。 彼と初めて言葉を交わしたのも、こんな雨の日だった…。 あれから『雨の日』は私にとって、特別な日になった。 そして、彼と別れてからの雨の降る日は、甘い痛みと、切ない想いが、胸に広がるようになった。