そして夏休み合宿…
この三日間は、言葉は交わせなくても殆ど同じ空間に居られる事が嬉しかった。



そして合宿最後の夜、私は、彼と親しい光井先輩に廊下に呼び出された。

「あの…美織ちゃんさ、彼氏とか好きな人って居る?」


…え?何これ。もしかして私、告白とかされてるの?
しかも、よりによって“彼”の親友に?…

ところが、そうではなかった。

「付き合ってる人はいません。でも私、好きな人はいます…」

「それって…幸…ってことは…ないのかな」



図星をつかれ、一瞬にして頬が上気して目が泳いでしまう。
無言でも肯定している事が、誰からもわかるほど。

「ヤッパなぁ〜!だから心配要らねえって言ったんだよな」

「…え?あの…それってどういう…」 

私はさっぱり状況が掴めず、狼狽えている。