機材を全て車に積み込み、トランクを閉める音が、地下駐車場に響いた。 「もう今日で最後なんだね…」 「そう…だね…」 気の利いた言葉など、何も浮かんで来ない。 きっとそれは彼も同じだ。 「美織…元気で」 「幸もね…」 そんなありきたりの言葉を交わすのが精一杯だった。 彼が車に乗り込み、バタンとドアが閉まり、エンジン音が響き渡ると、私の胸は言いようのない想いに駆り立てられる。