お願い…
あと少しの間だけでいいから、彼を私に下さい。

いつまでなのかわからない…
けれど、必ず来るその期限まででいいから…



貴方はカウントダウンの期限をきっと言わない。
私も聞いたりしない。

だから、お願い…
あともう少しだけ…。




やっとのことで鍵を開けて部屋に入ると、電気も点けずに冷たいドアにもたれて目を瞑る。
そして胸の中で暴れる感情を落ち着かせるように大きく息をした。



…願ってはいけない。
私にそんな資格などない。

あんなに愛してくれた彼を、二度も拒んだ私が…
もう一度、彼を欲しいと願うなんて…。



必死に涙を押し戻そうと、自分の想いを打ち消そうと努めたが、混乱する頭の中は痛みを増し、私は為す術もなく崩れるようにその場に座り込んだ。