ピピッ──

「36.3、か。下がったからもう大丈夫だね」

「ほんと?もう遊んでもいい?」

やったー!熱下がったー!
淳と遊ぶの楽しみだなぁ

今日、許しが出たらゲーム買いに行く予定だし、知らせてこよ!


「じゅーん!!!ゲーム買いに行こ!」

「ちひろー!もう大丈夫なの?」

あったりまえよ
元気いっぱいだわ!

「じゃあお昼食べてから2人で行こうね?」

「わかった!またね、淳」


淳の部屋を出てからうちは自分の部屋に戻った。


ベッドに横になり、ふとあることを考えた。

「ここに来て良かったな…」

本当にここに来てみんなと出会えて良かったと思う。

まだ、みんなと物凄く親しくなった訳ではないと思ってる。

だけど、あのまま京都にいるより東京に出てきて新しい人生がおくれてよかったなと思っている。

あれ、でも…

「なんでうちすぐに東京って決めたんだろ…」

他にも色んな県があんのになんで東京選んだのかな?

そんなことを考えていると頭の中にある映像が流れてきた。

────

『うち絶対東京いく!東京できらきらしたい!』

『やめとけって。お前にきらきらなんかできるかよw』

『またうちのこといじめる!○○!何とかして!』

『俺の千尋いじめんなよー』

────

ハッ

また顔と名前が出てこない…

何回もこんな映像が流れてくるのになんで思い出せない…?

うちそんなに東京行きたかったのかな。

きらきらしたい…?

でもどこかで言ったことのあるようなセリフ

なんで思い出せないの…

この人達がうちの大切な人なの…?

もうわかんないよ…