午前最後の競技は『喧嘩』
鎌たち幹部が1番力を入れていた競技。
男子と女子で分かれるみたいで苺たちの族も出るんだって。
みんな特攻服を着たりサラシを巻いていたりなんかかっこよかった。
でも怪我はしてほしくないから苺にも鎌たちにも
「怪我したら怒るからね」
と、伝えておいた。
苺の族、睡蓮の人達にも伝えるとなんか撫で回された。
あ、睡蓮の人達とは前にあっていて仲良しになった。
すごい可愛い可愛いって言われて妹みたいに扱われて複雑な気持ち。
でもみんないい人たちだから好きなんだ。
喧嘩が始まりすごい砂埃が舞った。
女子の喧嘩はどこか綺麗なものがあったけど男子の喧嘩はもう、おらぁぁ!って感じ。
殴られてる人とか痛そうだし可哀想。
でもこの喧嘩を見ていると身体がうずうずしてきてなにかを思い出しそうだった。
───
『総長!うしろ!』
『わかってるよ!〇〇いくよ!』
『おう!』
───
「千尋ちゃん、大丈夫?」
「あ、サキ…」
一緒に見ていたサキに心配されてしまった
また記憶の中に出てきたあの男の人。
それからうち誰かに総長って呼ばれてた。
うちが総長?そんなわけあるか。
これはきっと違う人に言った言葉だ
でも少し心に引っかかる…
そんなことを思いながら喧嘩をただぼーっと見ていた。
喧嘩が終わり最後に立っていたのは死華のみんなと睡蓮のみんなだった。
てことは今年は死華と睡蓮が喧嘩の1位かな?
みんな力入れてたからよかったね?
あとでいっぱいお祝いしてあげよ
お昼になりみんなで隆弘が持ってきたお弁当を食べていた。
やっぱり卵焼き入ってる!
おいしいなぁ…
「千尋、美味しい?」
「うん!めっちゃおいしい!」
「そっか、ありがとな」
美味しくて1人でもきゅもきゅと食べているとみんながうちのお皿に卵焼きを乗っけてくれた。
それか嬉しくてふふ、と笑っちゃうとみんなため息をついてしまった
…?
疲れてるのかな?
まあ、いいや。
とりあえず隆弘の美味しいご飯でエネルギーチャージして午後の競技もがんばろ。