随分と懐かしい出来事を思い出していた。 ちょうどあの病室からは、桜の花が満開に見えていた。 そして今、高校生になった私は高校の窓から見える桜の木を見て、お兄ちゃんのことを思い出していた。 お兄ちゃんがこの世を去ってから、はや10年が過ぎようとしていた。 私は当時中学生だったお兄ちゃんの年を追い越した。 月日は望んでいなくても、無勝手に流れていく。 お兄ちゃんは今も私のことを見てくれているのだろうか。