だから、笑って。


どうして、嘘なんかついたの・・?

「・・・遊び半分なら私、帰るよ・・?」



「駄目。俺はあんたに用があんの」


そう言って間宮くんは図書のカウンターの机の下から一冊の本を取り出した。



「遅くなってごめん。感想、言ってもいい?」


彼はそのまま図書カウンターの椅子に腰かけた。


私も隣の椅子に座る。




「ざっというと2回読んだんだけど、兄妹の絆が描かれていた」


「それだけ・・?」


「ううん。・・・ねえ、相川さんって兄がいたりする?」

胸がチクリと痛んだ。




「・・・まぁ・・。」
彼に気づかれないように、本気のポーカーフェイスを貫いた。



「そっか。なんか、相川さんってお兄ちゃんのことを誰よりも大事に思っているような気がする。兄のことを尊敬していて、そんな相川さんが思い浮かぶような小説だった。俺には兄弟なんていないからどんなにかけがえのないものかはわからないけど、素敵だと思う」




彼らしい率直な感想だと思った。


でもね、間宮くん。


私の大好きなお兄ちゃんはもう・・。