「菜乃花、ここにいたのか。探したぞ。」 草むらから現れたのはお兄ちゃんだった。 恐怖と安堵がおり混ざり、また涙が溢れてきた私。 「昔っからお前は危なっかしいんだよ」 「うぇっ・・、ごめんなさい・・」 そして、私の涙を見るや、お兄ちゃんは私の頭を撫でながら決まり文句を言った。 「菜乃花は笑顔が誰よりも似合っているよ。だから、笑って。」