ーー車の中では沈黙が続いていた。







何時間経っただろうか。
長い時間、私たちは車の中に乗っていて、しばらくして車が止まった。










「………降りなさい。」









と言われ、私と雄大は車から降りるとそこは………









薄暗い場所で、地下だとすぐにわかった。










白峰咲良のお父さんは歩きだし、後ろについていく。











その途中に雄大が私の手を握ってきて、私もその手を握り返した。










それから少し歩いて、ある厚みのある扉の前で止まった。










そして白峰咲良のお父さんは扉の横にある指紋認証のロックで鍵を開け、大きな音を立てて扉が開く。










扉が開くと、またもう一つ、鍵のかかったけ扉があり、今度は鍵でその扉を開けた。








そして、「時間は15分。それ以上は与えられない。」とだけ言い残し、白峰咲良のお父さんは元来た場所へ戻っていった。














時間は15分……?







そう思いながらも、雄大と繋がれた手を離し、何かに引き寄せられるように開いた扉の中へと私は入っていった。