全部、全部………
「あなたたちのせいで、みんな酷い目にあってるんですよ……!?
こんなことしてて、ただで済むと思ってるんですか!?
警察に言いつけますよ!」
私がそう叫んで脅しても、白峰咲良のお父さんは一つも表情を崩さないどころか余裕の笑みを浮かべていた。
「残念だけど……警察なんかよりも強いものが私の後ろにはついているからね。」
警察よりも強いもの……?
「これは国家機密の一大実験なんだよ。
その中でも本当にえらい、エリート中のエリートしか知らないようなことなんだ。
残念だけど、私のバックには国がついてるから何をしても無駄だよ。」
国が……?
だからこの余裕そうな笑み浮かべているのか。
「今回は大変いい結果がでた。
その中で、入坂雄大くんは私たちにとって毒となる存在だ。
だから彼も被験者として実験に協力してもらうことにしたんだよ。
もう一度、君の記憶を消して白峰咲良として生きてもらい、入坂雄大くんは北条咲良と白峰咲良の記憶を抹消する。
そうすれば今度こそ実験は成功へと導いてくれるだろう!」
何を、言っているの……?
この人は、雄大まで巻き込もうとしてる……?
そんなの、嫌に決まってるよ。
もしかしたらまたトラブルがあって、雄大が死ぬかもしれない。
そんなの耐えられない。
それに、記憶を忘れて、何かのきっかけで少しでも思い出したら………
ものすごい不安に襲われるんだ。
それは正直言って辛い。
そんな辛い思いをするのは私だけでいい………。



