その声はいつもの入坂とは違って弱々しく感じられた。
悲しさがその声に含まれている。
私は彼の言葉を中々理解することができなくて、しばらく何も答えられなかった。
でも、私は思ったんだ。
やっぱり入坂は私のことを“咲良”さんと重ねているんだってことを……。
そう思うと、さっきより胸が痛み出した。
私のことを私と見られていないことに何故かショックで、悲しくて……
この気持ちは、何?
どうして涙が出てきそうなの?
「………私は“咲良”さんじゃない……、入坂の求めてる“咲良”さんじゃないよ!
一緒にしないで!!」
そう叫ぶように言って私は教室を出た。



