陛下の父。私を狂わした張本人。 私の力を抑えることの出来る唯一の人。 「本当は庭とかで話そうと思ったけど……ここも充分に暖かい。ここで話そう。」 『のまれる』 そう感じて意識を手放しそうになった時 咄嗟に陛下は私の疼く腕を掴んでくださった。 そのおかげでなんとか意識を保つことができ、身体の疼きも引いた。 ……分からない。 あまりに唐突に死というものを垣間見た気がする。 自分の力に、危うく殺されかけた気がする。