意地悪王子の溺愛は甘すぎて危険です!






急に陛下の纏う雰囲気が穏やかなものから棘のあるものへと変わった。



チャームの腕輪が付けられた腕が酷く疼き(うずき)思わず反対の手でその腕を抑えた。



「どうしても君と2人で話がしたくてね。アランにはわざわざ別の任務を与えて僕の元を離れてもらったぐらいだ。」



兄上の名前が出てきて思わず反応しそうになるのをグッと堪える。



口元こそ笑っているものの、



鋭い視線を私に向ける陛下には普段の優しい面影は微塵もない。



「場所を変えよう。こっちは少し寒いからね。日の当たる場所にでも行こうか。」



有無を言わせぬ表情を浮かべ、来た道を戻る陛下の後に続いて足を進めるしか出来ない私。



疼く。腕だけじゃない。