王子に軽く睨まれただけで逃げ帰るなんて。



「悔しくないのか。」



「はい?」



「あからさまに馬鹿にされたような目を向けられて、悔しくはないのか。」



「あぁ。もう、慣れてしまいました。」



それに、どちらかというと久しぶりの城下が任務っていう方が悔しいわ。



どうせなら思い切り城下を楽しみたいのに。



私だって女の子だし服とか髪飾りとか見たいし。



プライベートでって言ってもこの任務に就いた以上お休みなんてないし。



「……明日はお前も同行しろ。いいな?」