私の声を聞いて駆けつけた兄や父の静止を振り切って何度も殴った。
自分に秘められた力が嫌で、
自分が普通じゃないのが嫌で、
自分でも分かってしまうこの違和感が嫌で。
生まれて初めて、心の底から死を願った。
生まれて初めて、心の底から消えてしまいたいと思った。
生まれて初めて、母が好きだと言ってくれた自分自身を嫌いだと思った。
……その後のことは、全くと言っていいほど覚えていない。
気がついたら自室のベッドで寝ていて、
至る所から血が流れ痣だらけになっていたボロボロな身体は、
傷一つなく、綺麗になっていた。
