王子は毎日執務をこなすことも稽古に行くこともなく、 ずっと傍にいてくれていた。 二人の部屋で、共にいてくれた。 寝る時は今まで通り二人一緒に。 ご飯も、今までと食べる場所は違えど一緒に。 王子が今の時を大事にしようとしてくれているのが痛いほど分かる。 それに、それは私だって一緒だ。 無駄にしたくないんだ、この時を。 王子や陛下、兄上の魔法のお陰であれから痛みを感じることはなくなった。