「うるさいよ、バカ兄上。」 「はいはい。じゃあな、ヘレン。」 「うん、ありがとう、助けて、くれて。」 「……おう。」 気づいていた。 昨日の晩、私を見つけてくれたのは兄上だって。 小さい頃からずっと一緒にいたから。 リア王女のあの『ばーか』っていうのは、 私に対するちょっとした意地悪だったのかな。