顔の角度を動かし私に声をかける人の顔を視界に写す。 「あに、うえ……?」 「よかった…よかった……!!!!」 「体が、重いの……瞼が、重いの……」 「ヘレン……」 「てっきり……死んだかと思った。」 「っ………」 「凄くね、痛いのよ。あの腕輪がないだけで、こんなにも苦しいのね。」 右手首にそっと目を向ける。