「ヘレン、ヘレンっ……!!!!」 苦しいぐらいに強く抱き締められる。 私もそれに応えるように抱き締め返した。 『魔法を体から引き離そう。』 きっと王子は、そう言おうとした。 でも言えるわけがないんだ、そんなこと。 誰も言えない。 誰一人として言うことを許されない。 ねぇ、王子。