なんで、気付かなかったんだろう。 最初から私の気持ちが届くわけ無かったのに。 「悪魔の絶滅は無理だとしても、ガイと婚約を結ぶことで自分の国を守ってくれると思ったんだろう。」 何も言えない、言葉が出てこない。 「それに、ルーザンの王女との婚約はこちら側にも大きな利益がでる。決して悪い話ではないと思っているよ。」 視界が涙で歪み始めた。 「少なくとも……これは王としての僕の考えだけどね。」 「…え?」 「僕はね、ガイには自分が好きだと思った人と結婚してほしいと思っているよ。」