まだ死ねない。 死ねないけど、今の私にはその事実だけで充分だ。 「陛下、この事はガイ王子には言わないでくださいね。」 「…君はそれでいいのかい?」 「あの人優しいから、きっと聞いたら陛下以上に泣きますよ?……いいんです、言わなくて。」 「……分かった。伏せておこう。」 「感謝します、陛下。」 体の痛みが残りの寿命の長さを示している。 もう、私は永くない。