私の力で国が救われるなら、 悪魔に怯えた生活をする必要がなくなるなら、 それはそれで、いいのかもしれない。 「君は強いね、ヘレン。僕はいまだにこの事実が受け止められないよ。」 「私もです。私もそうでした。」 「え?」 「2年前、この力を知った時は……自分の体、何十回殴ったかな。」 陛下の瞳が驚愕で大きく見開かれる。 でも、そうだよね。こんな話したことないから。驚くよね。 「陛下、私は確かに永くないんでしょう。でも……まだ死ぬわけにはいきません。」