. 「お待たせ。」 ボ〜っと携帯を眺めていた私は 上から降ってきた声に驚いて顔を上げた。 「優弥さんっ…!」 「ごめん、待った?」 真っ黒のスーツに身を包み、 胸元には金のネックレスをチラつかせている優弥さん。 「いえ、全然」 そう言ってシットリと微笑んだ私の顔を見て 優弥さんが 少し俯いたのがわかった。 「ほら、行こうか」 そう言って、先に進み出した優弥さんの後を 私は慌てて追いかけた。 「…かっこいい」 やっぱり、この人。 やっぱり、優弥さんかっこいい…。