please tell me...

「…んっ、距離近すぎます吉田さん!」

「今日は?今日アフター無理?」

私の肩に腕を回し、

顔を胸に埋めようとする吉田さん。


私は顔を耳に近づけて「お預けです、明日までガマンしてください吉田さん」と囁いた。


「椿さん、お呼びです」

ボーイの声でハッとした。

あれ、指名?

…今日はみんなもっと遅い時間からのはず。

この時間に指名は、私の予定には無かったんだけど。


「今日はみんな遅くからだけど、新規のお客様?」


「あ、いや…それが、社長がNo1を連れて来いと…」


…あ!!!

新城優弥とかいう社長が今日来るって

言ってたやつか!

って、なんで私なのよ〜!

「蘭は?いま何してんの?」

「控え室にいてます」

「蘭に回しせないの?私、吉田さんの席は離れられないんだけど…」


基本的に吉田さんが来てくれた時は
他の指名は他の子に回す。


吉田さんは、大事だし

正直一番お金を落としてくれる。


「それが、社長がいますぐ、と。少し怒ってらっしゃってるんで早く行ってくれ!」

プライベートでも仲良くしてるボーイが

ついに敬語からタメ口に変わったってことは

きっと相当焦ってるんだろう。


「もー。」

「あざす!」