時間が3場に遡る
音響バスケ終わったっぽい音
照明FI
上手側でCD奥段の上
上手には見えない壁がある風
C「今日さ部活早く終わったし、どこか寄ってく?」
D「そうだなぁ、…じゃあ、どっかでお茶でも飲んでいこうか」
C「いいねー行こ行こ!」
D「そういえば最近、部活早く終わるね」
徐々にサイレント
サイレントから入れ替わるように下手からGHの声が聞こえる
(C「あー、ミズキがいないからじゃなーい?」
D「あぁ、それでか」)
(H「おい、シュン遅いって早くしろよ!」
G「だから何をそんなに急いでんだよ」)
GH入ってくる中央手前
CDはサイレントでおなじくだりを続ける
H「よし、ゴール。俺の勝ちぃ」
G「(息切れ)いや、勝ちってなんだし。んで、なに」
H「なにが」
G「なんで急いでたんだよ」
H「だから、俺の、勝ち」
G「はぁ?」
H「俺が、勝った」
G「いや、もういいや。分かった。帰ろうぜ。部誌持ったか?」
H「おう」
照明FO
場所が変わる
舞台は公園
カラスの声とか音響
5時のチャイムでもいいや
照明FI
GH入ってくる
H「じ、つ、は、急いでたのそれだけじゃないんだよなー」
G「なんだよ」
H「ゲーセン行こーぜ!」
G「やだよ」
H「じゃあ、イオン!」
G「ゲーセンしか行かないだろ」
H「飯食おうぜ!」
G「金ないし」
H「じゃあ、シュンの家でいいや」
G「でいいや、ってなんだ、ダメ!」
H「私今日大丈夫な日…」
G「おい!」
H「私と時間どっちが大事なの!?」
G「ふざけすぎだ」コツ
H「ちぇー」座る段差
G「おい、座るなよ。帰るんだから」
H「いいじゃん、たまには!喋ろーぜー!」
G「はぁ。まぁいいや」座る
H「やったぜ!そういうとこ好きよ!!」
G「はいはい」よいしょ
H「なんかさー、最近監督機嫌いいよなー」
G「まぁ、全国決まったし、浮かれてるんだろ」
H「女子は行けなかったしな」
G「あれは、もう残酷だったよな」
H「女って怖いって改めて思った」
G「ミズキが怪我した時よりその後な」
H「あれからミズキ、学校来てないらしいじゃん」
G「あぁ」
H「まさか、いじめ!?」
G「気が強いヤツ多いし、ありえる」
H「だとしたら主格はアヤノか?ナナとか…」
G「ナナはないだろ、ミズキと仲いいじゃん」
H「いや、案外そういうやつこそ…」
G「ずっと家に向かえに行ってるって」
H「じゃあ違うな。素晴らしい友情だ」
G「ミズキはバスケ上手いけど、少し気が小さい時があるからな」
H「そのギャップが男バス人気を集めてるんだけどな」
G「はぁ?お前らまたランキングとかつけてんのかよ、殺されるぞ」
H「だって気になるもーん」
G「もーん、じゃねーよ。懲りないな」
H「まぁいつもミオの圧勝なんだけどな」
G「そこも変わらないんだな」
H「どこがいいのやら」
G「性格いいじゃん」
H「俺しか知らないミオがいるの」
G「彼氏ヅラか」
H「だから付き合ってないって、幼なじみ!!お前こそどうなんだよ」
G「なにが」
H「好きなやつとか」
G「いない」
H「告白されたりとか」
G「ないない」
H「つまんな」
G「うるさいな」
H「じゃあ、女バスなら誰がいい?」
G「んー…」
H「ナナとかは?部長通しでお似合いだぜ」
G「あーナナは部長に向いてるよなぁ。…俺と違って」
H「……(チョップ)」
G「いたっ」
H「シュンも向いてるよ」
G「そういうのお前だけだろ。俺は、トウヤがよかったんだ」
H「俺はお前でよかった」
G「トウヤはさ、悔しいとかはないの?」
H「なんで?」
G「だって中学の時はお前部長だったじゃん」
H「俺は中学の頃からシュンが部長になって欲しいと思ってたよ」
G「それこそなんでだよ。誰から見たってお前の方がうまいだろ」
H「でもさ、シュンは努力してるじゃん。誰よりも努力してるの見てきたから、俺は今、シュンが部長で嬉しいよ。みんなだってきっとそうだろ?」
G「でも、俺はきっとトウヤより上手くなれない」
H「まぁ、俺、天才だしな」
G「そうだよ、天才なんだよ」
H「ノリいいな」
G「実際そうだし。肩並べたくてめっちゃ練習してさ、中学でお前が部長になった時、俺が副部長に選ばれてすごく嬉しかったんだ」
H「なんで」
G「お前を支えられるのが俺っていうのが誇らしかった。憧れで、目標で、いつか追いつきたいと思って練習するのが楽しかった」
H「今は?」
G「今はさ、お前の前を歩くのが怖いんだ」
H「怖い?」
G「ずっと追いかけてたから、どうすればいいのか分からない」
H「俺はついて行くよ」
G「俺は、ずっとトウヤのことを追いかけていたい」
H「…なら、それでいいよ」
G「強くなりたい…」
H「じゃあバスケやろーぜ!」
G「いいなぁ、トウヤは。才能だけでバスケが出来て」
H「…は?」
G「俺の方が絶対に練習してるし、真面目に悩んでるのにすぐヘラヘラして、そうやって遊びみたいにバスケやってても誰よりも強くてさー。俺もトウヤみたいに適当にやっててもうまく出来たら…」
CEF登場こっそり下手側奥
H「おい…。おい、ふざけんなよ!俺が何の努力もしてないと思ってんなよ!?」突きとばーす
G「いたっ、(びっくり」
H「お前に追いつかれないように、俺だって必死なんだよ!それなのにお前は自分ばっかり…」
CE言いながら前へ勢いよく
Fだけゆっくり
C「ちょ、ちょっとちょっとちょっと!!何やってのよ!…シュン大丈夫?」
G「…平気」
H「…なんでいんの?」
C「なんでもいいでしょ?あんた何考えてんの?全国行くのにケガなんかしたらどうするのよ!」
H「…はぁ、もういい。帰る。…シュン」
G「なに」
H「ごめん」
G「…」