音響バスケが終わったっぽい音
上手からCD入ってくる
中央には見えない壁がある風
中央でストップ
C「今日さ部活早く終わったし、どこか寄ってく?」
D「そうだなぁ、…じゃあ、どっかでお茶でも飲んでいこうか」
C「いいねー行こ行こ!どこいこっかな〜ふふーん」
D「そういえば最近、部活早く終わるよね」
C「あー、ミズキがいないからじゃなーい?」
D「あぁ、それでか」
GH走って入ってくる下手側奥サイレント
何かノートを拾って帰る
C「来なくなってもう何日?」
D「昨日で、1週間じゃなかった?」
C「完璧に逃げてるよね」
D「来れない気持ちも分かるけど」
C「このまま退部するつもりかな」
D「どうなんだろ」
C「そんなに簡単に辞めるようなら最初から入ってんな、って話しよ。誰かがいなくなるたびに空気悪くなるのに。厳しい部活なのは最初から分かってたことなのに」
D「どんどん人減ってったもんね」
Aが下手よりなんとなく登場
とどまる
C「全国ってさぁ、どんな世界だったんだろうね。…目標で終わったかぁ。全国行ったらシュンに告白しようと思ってたのになぁ」
D「言ってたよね」
C「そのために頑張ったのよ、私は。それも没よ。ミズキは期待だけさせておいて、結局エースを背負えないんだから。気持ちが弱いんだよ。ミズキがいなかったら、もっと違うチームで、もっと上手くいってたかもしれないのに」
A下手より足音大きく近づく
D「あ、ナナ。おつかれ」
C「おつかれー」
A「…アヤノ、あんた何言ってんの」
C「何って?」
A「ミズキがいなかったらって!」
C「あぁ、聞いてたわけ?だってそうでしょ」
A「違う」
C「ナナだってそう思ってるでしょ」
A「思ってないよ!」
C「いい気味だって」
A「そんなことない!」
C「なんで?ミズキがいない方が楽しくバスケ出来るじゃん」
A「ふざけないで!」
C「…何怒ってんの?」
A「怒るよ!ずっと一緒にやってきた仲間なのに。ミズキがいなかったら私達はここまで強くなれなかった」
C「そりゃそうかもしれないけど、結局いつも注目されてるのはミズキだけじゃん」
A「だからこそ、私達はミズキのことを支えるべきだったでしょ?」
C「ただ差をつけられて、無意味に比べられても?」
A「私たちがもっと努力するべきだった」
C「努力してるでしょ?私もナナも!!お互い分かってるはずよ!…それに1番ミズキと比べられて泣いてたのはナナでしょ?」
A「なによそれ」
C「キャプテンのくせに、って何回言われた?聞いたよ?毎日ミズキのところに行ってるの。助けるためとかいって本当はミズキよりも強いって思いたいだけなんじゃないの?」
A「違う!」
D「お、落ち着いてよ!」
A「アヤノだって!好きな人のために頑張ったとか言ってるけど、私たちはチームなの。レギュラーのあんたがベンチの事も考えないで目標を見失わないで!!」
C「は?」
A「何かきっかけがないと自分から告白する勇気もないあんたにそんなこと言われる筋合いはない!」
C「私の気持ちをバカにしないでよ!!告白は私が本気で悩んで決めたことなのよ!」
A「でも、自分の弱さを全部ミズキに押し付けたのも本当でしょ!?確かに私もミズキと比べられるのはいつも悔しかった。けど、あんたみたいに自分の問題をミズキのせいにしたことなんてない!」
C「…私の方が弱いっていいたいの?」
A「そうよ」
C「…っ」
D「や、やめようよ。落ち着いて。これ以上部の雰囲気を悪くしちゃダメだよ。ナナはキャプテンでアヤノは副キャプテン。私達の前に立つ存在なんだから、弱さも強さも、我慢も必要だよ」
沈黙
A「…帰るね」
D「あ、そう…。ミズキのところ行くの?」
A「うん」
D「ごめんね。背負わせてばっかりで」
A「いいの。私がやりたいだけだから。ちゃんと連れてくるよ」
D「ありがとう」
A上手側へ帰る
すれ違う時に言葉を交わす
C「無理矢理引っ張りだしたって意味なんてないから」
A「…分かってるよ」
C「それから、聞こえるように悪口とか言ったりして、私も性格悪かった。ミズキにごめんって言っといて」
A「鼻で笑って)自分で言えば?」
Aそのままはける
その姿を見送ってから
C「深いため息)」
D「アヤノ…その、ごめんね。偉そうなこと言って」
C「いや、いいよ」
D「そう?」
C「うん。むしろ止めてくれてありがとう」
D「そんな…」
C「ふぅー。…さてと、探しに行きますか」
D「え?何を?お茶は?」
C「シュンだよ。お茶は中止!」
D「え!なんで!?」
C「なんかナナに言われるまで気づかなかったけど、私だって逃げてたんだよね。心のどこかで勇気がないのを認めたくなかっただけ」
D「アヤノ…」
C「私、弱虫が大嫌いなの。それが自分なら、なおさら。私は自分の嫌いな自分でいたくない」
D「そっか。よし、私もシュンを探すよ!2人の方が早く見つかるし!」
C「ありがとう」
D「どこにいるかなぁ」
C「部活は?」
D「今日はミーティングだって言ってた。終わったのはうちらと同じくらいの時間だったよ」
C「じゃ、もう帰ってるかも」
D「明日にする?」
C「それはダメ!今日じゃなきゃもう一生言えない気がする」
D「じゃあ、私、ちょっと学校の外探してくるよ」
C「うん。じゃ見つけたら連絡して、私は校舎回ってみる」
D「うん」
D上手へはける